古本屋と歴史

従来、古本屋というものは近所の人たちの読書欲を満たしてくれる場所でした。また、古本屋が古本買取をして付けた価格が、本の評価を示す基準であると考えられていた時代もあったといいます。ところがバブル以降、読書という行為の意義が、少しずつ変化してきました。

オイルショックをきっかけに本の価格が高騰し、読者が求める文学にも変化が見られ始めます。映画やテレビと連動したエンターテインメント文学の読者層が増え、純文学はごく一部の人が好む趣味のようにとられるようになりました。

1970年代以降になると、さらに状況が変わります。それまで芸術という大きな枠にくくることができた文学、美術、音楽といったものが互いに関連して一つの文化を形成するのが困難になったのです。この流れは古本屋にも影響を与え、新刊書業界では、十坪以下の小規模書店が次第につぶれていきました。これは販売方法が対面販売から陳列販売に変わったことが大きく影響しています。つまり、古本屋の奥で店主が座っているスタイルから、棚自体が本を売るスタイル主流になったのです。

このスタイルに対応するには、店の売り場面積を広げなければならず、個人経営の新刊書店は三十坪程度の店のカウンターにアルバイトの店員を立たせるスタイルにして、生き残りを図ったのです。